「定期テストの点数は上がったのに、通知表の評定が変わらない」「授業中に発言するのが苦手だと、内申点で不利になるのだろうか」。高校受験を意識すると、学校の成績について疑問や不安が出てくることがあります。

内申点を考えるときは、学校での学習評価と、高校入試での調査書の使われ方を分けて理解することが大切です。挙手や質問の回数を増やすだけで、評定が上がるとは限りません。

この記事では、中学生と保護者に向けて、内申点・評定・調査書の関係を整理します。そのうえで、授業、提出物、テストの振り返りを、次の学習につなげる方法を紹介します。

目次

1.内申点・評定・調査書の違いを整理する

「内申点」は、高校入試で使う教科の評定や、それを一定の方法で点数化したものを指して使われる言葉です。ただし、入試資料での名称や計算方法は、地域や学校、選抜方式によって異なります。

まずは、通知表に示される評価と、高校へ提出される調査書を区別しておきましょう。

用語主な意味確認すること
観点別学習状況の評価各教科の学習状況を、観点ごとに捉えた評価どの内容が身につき、どこに課題があるか
評定教科の学習状況を総括して示す評価。中学校では一般に5段階で示される学校が説明する評価方法や総括の考え方
調査書高校の入学者選抜に向けて、中学校が作成する資料記載項目と、選抜での扱い
内申点・調査書点教科の評定や、選抜の規定に沿って評定を換算した点数など対象学年、教科ごとの重み、換算方法、配点

通知表の数字を単純に合計したものが、そのまま入試の得点になるとは限りません。また、調査書には評定以外の項目が含まれる場合もあるため、「調査書=内申点だけ」と考えないようにしてください。

高校入試での扱いは、受験年度の資料で確認する

調査書と学力検査をどのように組み合わせるかは、全国共通ではありません。面接や作文などを用いる選抜もあり、推薦などの出願条件も学校によって異なります。

公立高校は教育委員会、私立高校は各校が公表する受験年度の資料を確認しましょう。過年度の情報や、別の地域の経験談だけで判断しないことが大切です。

  • どの学年の評定が対象になるか。
  • どの時点の成績を使うか。
  • 教科ごとに重み付けがあるか。
  • 学力検査や面接などと、どのように組み合わせるか。
  • 評定に関する出願条件があるか。

2.学習評価は、先生へのアピールの回数で決まるものではない

中学校の各教科では、基本的に「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点から学習状況を捉えます。テストだけでなく、課題、説明、作品、実技など、教科や学習内容に応じた資料が用いられます。

大切なのは、その教科で何を学び、どのような力を身につけることが求められているかです。評価の方法が分からない場合は、学校からの説明や教科ごとの案内を確認してください。

「主体的に学習に取り組む態度」は、発言の多さとは違う

この観点では、学習に粘り強く取り組もうとする側面と、その中で自分の学び方を調整しようとする側面を捉えます。単に挙手が多い、声が大きい、ノートがきれいといった特徴だけで判断するものではありません。

例えば、解けなかった問題について原因を考え、別の方法を試したり、助言を受けて取り組み方を変えたりすることがあります。以下で紹介する方法も、評価を得るための演出ではなく、理解を深めるための取り組みとして活用しましょう。

3.定期テストは、合計点に加えて間違いの内容を見る

「何点だったか」から「次に何を直すか」へ進む

テストの点数は学習状況を確認する材料ですが、同じ点数でも間違えた内容は異なります。用語を覚えていなかったのか、条件を読み落としたのか、説明に必要な根拠が不足していたのかを分けて確認しましょう。

「もっと勉強する」と決めるだけでは、次の行動が曖昧になります。間違いに合わせて、取り組む問題や確認方法を変えることが大切です。

つまずきの例確認すること次の取り組み例
用語や公式を思い出せなかった意味や使う条件も理解できているか説明と例題を確認し、後日もう一度思い出す
解き方を選べなかった問題文の条件を整理できているか図や表に整理し、解法を選ぶ理由を説明する
記述問題で減点された根拠や必要な内容が抜けていないか採点後の助言をもとに、自分の答案を書き直す
計算や転記を間違えたどの段階で誤りが起きたか途中式や確認箇所を決めて、類題で試す

全国共通の「何点なら評定5」という基準はない

「80点を取れば必ず4」「90点以上なら5」といった、すべての学校・教科に共通する基準はありません。問題の内容や、テスト以外の評価資料も異なるためです。

目標点を決めることは学習計画に役立ちますが、評定の保証とは分けて考えましょう。点数が上がっても評定が変わらない場合は、ほかにどのような学習課題があるかを確認してください。

4.提出物は、仕上げ方と理解の確認をつなげる

課題の目的と提出条件を最初に確認する

提出物には、問題演習、調べ学習、実験レポート、作品などがあります。それぞれ求められる内容が違うため、何を確認するための課題なのか、どこまで取り組むのかを把握してください。

提出期限を守れるように予定を立てることも大切です。ただし、遅れた場合の扱いを一律に「1日で大幅減点」と決めつけることはできません。期限に間に合わない事情がある場合は、早めに相談しましょう。

答えを写して終えるのではなく、分からなかった点を残す

解説を読むこと自体が悪いわけではありません。自分で取り組んだ部分と、解説を見て理解した部分を区別し、後で自力でできるか確かめることが重要です。

間違い直しも、使うペンの色や書き込む量を増やせばよいとは限りません。「なぜこの式を使うのか」「どの条件を見落としたのか」など、次に役立つ内容を簡潔に残しましょう。

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5.授業では、考える・確かめる・相談する機会を使う

発言が苦手でも、学習に参加する方法はある

人前で話すことが苦手な生徒もいます。毎時間の挙手回数を目標にするより、課題に取り組む、自分の考えを書く、説明を聞いて違いを確かめるなど、学習内容に沿った参加を考えましょう。

話すこと自体が学習目標となる活動もあります。困難を感じる場合は、授業の目的を確認したうえで、練習の方法や必要な支援について先生に相談してください。

質問は、理解を進めるために使う

質問するときに、どこまで分かったかを伝えると、先生も説明を合わせやすくなります。ただし、「何が分からないかも分からない」という状態で相談してはいけないわけではありません。

分からない箇所を整理できないときは、教科書や問題を一緒に見ながら、最初の一歩を確認しましょう。質問を成績のためのアピールと考える必要はありません。

  • 「この問題は、最初に何を整理すればよいですか?」
  • 「式は立てられましたが、この計算から先で止まりました」
  • 「解説を読むと分かりますが、自分では解き方を選べません」
  • 「どこから分からなくなったかを、一緒に確認してもらえますか?」

音楽・美術・保健体育・技術・家庭も、学習目標を確認する

これらの教科も、得意不得意や生まれつきのセンスだけで評価されるものではありません。一方で、「一生懸命なら必ず高い評定になる」とも言い切れません。

授業で求められる知識や技能、表現や工夫の内容を確認し、助言を受けながら改善します。準備や片付けなどの行動だけを、教科の評定を上げる方法として捉えないようにしましょう。

6.評定に疑問があるときは、具体的な資料をもとに相談する

評価が分からないまま、「先生に嫌われているから」「努力が足りないから」と結論づける必要はありません。通知表、答案、提出物、先生からのコメントをそろえ、何を改善すればよいかを相談しましょう。

例えば、次のように尋ねると、今後の学習につながる情報を確認しやすくなります。

今回の評価について、次の学習に向けて確認したいです。 ・どの学習内容が身についていて、どこに課題がありますか。 ・答案や提出物のどの部分を見ると、その課題が分かりますか。 ・次の単元では、どのような練習や取り組みが必要ですか。 ・学校から説明された評価方法について、不明な点を確認できますか。

提出済みの課題が未提出扱いになっているなど、事実関係に疑問がある場合は、提出記録などとともに確認してください。本人だけで相談しにくい場合は、保護者や担任を通じて相談する方法もあります。

体調、障害の特性、家庭の事情などで課題や活動への参加が難しい場合も、早めに学校へ伝えましょう。必要な支援や提出方法について相談することは、学習を続けるための大切な行動です。

7.1週間ごとに、学習の進め方を見直す

すべての教科を一度に変えようとすると、続けにくくなります。まずは一つの教科で、分からなかった内容と次の取り組みを短く記録してみましょう。

振り返ること記録の例
今週の目標一次関数の文章題で、数量の関係を式にする
できたこと表に整理すると、変化の割合を求められた
まだ難しいこと初めの値を、問題文から見つけられないことがある
次に試すこと問題文の条件に印をつけ、図と式を対応させる
確認する方法後日、解答を見ずに類題を解き、理由を説明する

記録は長く書く必要はありません。書いた内容を次の学習で使い、うまくいかなければ方法や課題量を調整してください。

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8.内申点に関するよくある質問

テストの点数が同じなら、評定も同じになりますか?

同じになるとは限りません。評定は定期テストの合計点だけで決まるものではなく、ほかの課題や活動を通じた学習状況も関係します。違いが気になる場合は、自分の評価の根拠と課題を確認しましょう。

提出物を1回忘れると、評定は必ず下がりますか?

全国共通の決まりとして、そう断定することはできません。提出物の目的や学校の評価方法を確認し、未提出が分かったら、提出方法と期限を相談してください。

ノートをきれいに書けば、評価は上がりますか?

見た目だけで評価が決まるものではありません。自分の考え、学習内容、見直した点を読み取れることが大切です。清書に時間をかけすぎて、理解の確認や復習ができなくならないようにしましょう。

中学1・2年生の評定も、高校入試で使われますか?

対象となる学年は、地域や学校、選抜方式によって異なります。受験年度の公式資料で確認してください。入試での扱いにかかわらず、現在の学習内容はその後の学習にもつながります。

内申点が低い場合、志望校をすぐ変えるべきですか?

内申点だけで判断せず、出願条件、配点、学力検査の状況などを合わせて確認しましょう。学校の先生や進路指導の担当者と相談し、志望校と併願先、これからの学習計画を整理してください。

9.評定の数字を、次の学習を考える材料にする

内申点は高校入試で気になる数字ですが、その数字だけで本人の能力や努力のすべてが分かるわけではありません。学校の評価方法と入試での扱いを確認し、今できる学習改善へつなげることが大切です。

まずは、最近の答案や提出物を一つ選び、「できたこと」「まだ難しいこと」「次に試すこと」を整理してみましょう。分からない点は先生に相談し、学習の進め方を調整してください。

参考資料

本記事では、学習評価の基本的な考え方を説明しています。高校入試の対象学年、調査書点の計算方法、出願条件は、必ず受験年度の教育委員会・志望校の公表資料で確認してください。

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