社会人の休日の勉強はどう続ける?休息と両立する学習計画の立て方
「休日に勉強したいけれど、疲れて何もできない」「予定を立てても、家事や用事で終わってしまう」。仕事をしながら学びたいと思っても、休日の時間を計画どおりに使うのは難しいものです。
休日の学習を続けるには、休息や生活の予定を確保したうえで、取り組む課題を小さく決め、実際の結果から計画を調整することを意識しましょう。休日をすべて勉強に使う必要はありません。
この記事では、社会人が休日に勉強する際の時間配分、課題の決め方、予定が崩れたときの見直し方を紹介します。土日が休みでない人も、自分の勤務日と休日に置き換えて考えてみてください。
目次
1.休日の学習は、休息と生活の予定を含めて考える
休日には、休息、家事、育児、介護、通院、人との交流など、勉強以外にも必要な時間があります。予定表が空いていても、そのすべてを学習に使えるとは限りません。
まずは、睡眠や食事、外せない用事、休む時間を予定に入れます。そのうえで、無理なく取り組めそうな時間帯を探しましょう。学習のために、毎回睡眠や休息を削る前提の計画は見直してください。
休んだ日を、失敗した日と考えない
疲れが強い日や用事が重なる日は、勉強をしない選択もあります。「休日なのに何も学べなかった」と責めるより、次に取り組む内容を残し、再開できる状態にしておきましょう。
また、趣味や家族との時間を、勉強が終わった人だけのご褒美にする必要はありません。自分が大切にしたい過ごし方を含めて、休日全体の配分を考えます。
学びたい目的を、自分の言葉にする
「周囲に遅れたくない」だけでは、何に取り組むかが決まりにくくなります。「仕事で使う表計算を理解したい」「資格の問題を自力で解けるようになりたい」など、学びたい内容を具体化しましょう。
仕事に直接関係しないテーマでも構いません。歴史や語学、音楽など、自分の関心から学ぶこともできます。どの学びも、収入や昇進につながるかだけで判断する必要はありません。
2.日本と海外の学習データは、条件を確認して読む
休日の勉強を勧める説明では、「日本人は学ばず、海外の人は休日に自己投資をする」といった比較を見かけます。しかし、国や地域による違いを考えるには、対象者、調査時期、何を学習に含めるかをそろえる必要があります。
例えば、総務省統計局の令和3年社会生活基本調査結果では、「学習・自己啓発・訓練」の行動者率は39.6%でした。これは、10歳以上の人口に占める、過去1年間に該当する活動を行った人の割合です。
同調査の説明では、個人の自由時間に行う活動を対象とし、社会人が仕事として行うものや、学生が学業として行うものは除いています。したがって、「社会人の39.6%が休日に勉強している」という意味ではありません。
学習の有無から、休日の過ごし方までは分からない
過去1年間に学習したかという質問だけでは、平日と休日のどちらに取り組んだか、何時間続けたか、何を身につけたかまでは分かりません。学習する人の割合と、学習時間や成果は分けて読み取りましょう。
同様に、この数値だけから、休日の学習不足が国の生産性や経済状況の原因だと結論づけることもできません。自分の計画を考える際は、国別の印象より、現在の生活と学習上の課題に目を向けてみてください。
3.学習時間より先に、休日に取り組む課題を決める
「休日に2時間勉強する」と決めても、教材選びや動画探しで時間が過ぎることがあります。始める前に、使う教材と取り組む範囲、終わったときに確認する内容を決めておきましょう。
例えば「英語を勉強する」より、「前回間違えた単語を確認し、例文の意味を説明する」と具体化します。何をすればよいかが分かる形にすると、その日の時間に合わせて量を調整できます。
| 学びたいこと | 休日に取り組む課題の例 | 最後に確認すること |
|---|---|---|
| 資格試験の対策 | 苦手な論点の例題を確認し、基本問題を解く | 解説を見ずに、答えと理由を説明できるか |
| 英語 | 短い文章を読み、分からなかった表現を確認する | 文章の要点と、表現の意味を説明できるか |
| プログラミング | 短いコードを読み、一つの条件を変更して動かす | 変更前後の動きと、その理由を説明できるか |
| 表計算 | 練習用の表で、必要な関数を使って集計する | 別の数値でも、期待した結果になるか |
| 読書 | 一つの節を読み、主張と疑問をメモする | 本文と自分の解釈を区別できるか |
「週2時間で年間104時間」は、時間の計算として扱う
毎週2時間の学習を52週間行えば、合計は104時間になります。ただし、これはすべての週で実施できた場合の計算であり、特定の資格への合格や語学スコアの上昇を保証するものではありません。
同じ時間でも、出発点や教材、取り組む内容によって進み方は変わります。時間の合計に加えて、以前できなかった問題を解けるか、実際の課題で使えるかを確かめましょう。
4.休日の予定には、開始・終了・調整の余地を入れる
課題が決まったら、取り組む時間帯を選びます。「土曜の朝が最適」と一律に決める必要はありません。勤務時間や家庭の予定を踏まえ、自分が取り組みやすい場面を探してください。
開始時刻だけでなく、終了時刻も決めておくと、他の予定と調整しやすくなります。予定した範囲が終わらなかった場合は、次回へ回す部分を残し、毎回延長する前提にしないようにしましょう。
30分の学習を組む場合の例
次の表は、資格の基本問題に取り組む場合の一例です。時間配分は最適な比率を示すものではなく、理解の状態や課題の難しさに合わせて変えて構いません。
| 時間の例 | 取り組むこと |
|---|---|
| 最初の5分 | 前回の内容を思い出し、分からない部分を確認する |
| 次の15分 | 例題や解説を確認し、基本問題に取り組む |
| 次の5分 | 答えを照合し、間違えた理由を確認する |
| 最後の5分 | 分かったことと、次に取り組む内容を記録する |
取り組んでみて、問題の読み取りだけで時間がかかったなら、次回は範囲を狭めます。反対に余裕があれば、条件を変えた問題を試すなど、実際の結果から内容を調整しましょう。
予定が変わった日の代替案も決める
まとまった時間が取れない日は、前回の誤答を一つ確認するなど、短い課題に切り替える方法があります。ただし、忙しい日にも必ず何かしなければならない、というルールにする必要はありません。
「通常は30分、時間が少なければ短い復習、余裕がなければ休む」のように、複数の選択肢を用意します。取り組めなかった分を次の休日へすべて積み増すより、優先順位を付け直しましょう。
目標を日々の課題に分け、予定が崩れたときに計画を直す方法を紹介しています。休日だけでなく、平日も含めた学習スケジュールを考えたい方に役立つ内容です。
【学習計画の完全ガイド】中学受験から就職まで通用する「結果を出す」スケジュールの立て方 記事を読む →5.学習後は、使った時間とできたことを分けて残す
「1時間勉強した」という記録は、使える時間を見積もる材料になります。一方で、何を理解し、何に迷ったかは、その記録だけでは分かりません。
学習後は、取り組んだ内容、確認できたこと、次に行うことを短く残しましょう。記録を詳しく作り込むより、次回の開始時に使える内容に絞ります。
| 項目 | 記録例 |
|---|---|
| 取り組んだ内容 | 表計算の条件付き集計を練習した |
| 確認できたこと | 一つの条件なら、関数を使って集計できた |
| 残った疑問 | 条件が二つある場合の指定方法が分からない |
| 次の行動 | 教材の該当箇所を確認し、練習用の表で試す |
次の休日は、前回の内容を確かめてから進む
前回できたことも、時間が空いたら忘れている場合があります。学習を再開するときは、短い問題や説明を通じて、どこまで自力でできるかを確認してください。
思い出せない場合は、必要な箇所を学び直します。反対に、安定してできる内容を毎回同じ量だけ繰り返す必要があるかも見直し、新しい課題との配分を調整しましょう。
予定どおりに進まない理由を、意欲だけで説明しない
勉強が続かない理由には、時間の見積もり、教材の難しさ、準備の手間、生活上の予定などがあります。「目標が高すぎるから」「意志が弱いから」と、一つの原因に決めないことが大切です。
まず、どこで止まったかを確認しましょう。教材を選べず始められないなら使うものを先に決め、説明が難しくて進めないなら入門的な内容へ戻るなど、原因に合わせて一つずつ変えてみます。
前回学んだ内容は、いつ、どのように確認すればよいのでしょうか。固定の日程にこだわらず、期限と正答状況に合わせて復習を調整する方法を紹介しています。
復習はいつする?忘却曲線と分散学習から考える復習スケジュールの立て方 記事を読む →6.社会人の休日の勉強について、よくある質問
休日は何時間勉強すればよいですか?
全員に共通する時間はありません。目標の期限、現在の理解、勤務や家庭の予定を確認して決めます。最初は実行できる範囲で試し、課題にかかった時間から次の計画を立てましょう。
試験日までに必要な量が収まらない場合は、毎回の学習時間を増やすだけでなく、優先する範囲や受験時期も含めて見直します。
休日しか勉強できなくても、取り組む意味はありますか?
休日に確保できる時間から始めて構いません。次回まで間隔が空く場合は、終了時に「次に開くページ」と「確認する問題」を残しておくと、再開時に何をするかが分かります。
平日に余裕があるときだけ短い確認を追加する方法もありますが、毎日の学習を必須条件にする必要はありません。実際に思い出せるかを見て、復習の量を調整してください。
5分しか取れない日でも勉強したほうがよいですか?
一つの用語を確かめる、次に取り組む問題を決めるなど、短時間でできることはあります。ただし、新しい概念を理解したり、複雑な課題に取り組んだりするには、別にまとまった時間が必要な場合もあります。
5分の課題と、時間を取って行う課題を分けておきましょう。休む必要がある日は、学習を見送っても構いません。
学習記録はSNSで公開したほうが続きますか?
人との共有が励みになる場合はありますが、公開は必須ではありません。他人の学習時間との比較が負担になるなら、非公開のノートや予定表でも記録できます。
連続日数や見栄えのよい投稿より、次の学習で使える記録を残すことを優先しましょう。
会社のための勉強も、休日に行うべきですか?
自分の関心で行う学習と、職場から求められる研修や業務準備は分けて整理しましょう。職場が必要とする学習については、上司や担当者と、目的、期限、取り組む時間、利用できる支援を確認してください。
組織としても、必要な知識の習得を本人の休日の努力だけに任せず、教材や質問先、学ぶ機会を用意することが大切です。
7.次の休日に取り組むことを、一つ決める
休日の学習では、長時間取り組むことだけを目標にせず、休息や生活の予定と合わせて計画を立てます。課題を小さく決め、学習後にできたことを確認し、次回の量や方法を調整しましょう。
まずは、次に取り組む課題、使う教材、終わったときに確認することを一つずつ決めてみてください。予定どおりにできない日も含めて、自分の生活の中で続けられる学び方を探していきましょう。
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