年初に決めた目標を、最近見返したでしょうか。仕事や学校の予定に追われているうちに、目標を忘れたり、覚えていても取り組めなくなったりすることがあります。

目標が止まったときは、今の生活に合う行動へ組み直してみましょう。この記事では、行動計画や進捗確認に関する研究を参考に、目標を具体化し、途中から再開する方法を紹介します。

目次

1.目標が進まない理由を、具体的に確認する

目標に取り組めない理由は、忘れていることだけではありません。時間が足りない、必要な知識がない、計画が大きすぎる、生活の状況が変わったなど、複数の理由が考えられます。

最初に、目標を見返して「今も取り組みたいことか」を確認してください。年初には大切だった目標でも、現在の仕事や生活に合わなくなっている場合があります。

現在の状態見直すことの例
目標を忘れていた確認する場所とタイミングを決める
覚えているが始められない最初に行う作業を小さくする
作業の進め方が分からない教材や相談先を探す
予定した時間を取れない分量や実施する曜日を調整する
取り組む必要性が変わった目標の変更・保留・終了を検討する

続かなかったことを、すぐに意志の弱さと結び付ける必要はありません。何が妨げになっているかによって、役立つ対応も変わります。

2.目的・結果・行動を分けて書く

目標を整理するときは、「なぜ取り組むか」「何を目指すか」「何をするか」を分けて書いてみましょう。目指す結果だけでは、今日の行動が決まらないことがあります。

例えば、「プログラミングを学ぶ」という目標なら、作りたいものを具体化し、そのために必要な学習や作業を考えます。次の表は、計画を整理するための架空の例です。

項目記入例
目的繰り返している集計作業を自動化したい
目指す結果月末までにCSVを集計するプログラムを作る
今週の行動火曜・木曜・土曜に20分ずつ取り組む
最初の作業サンプルCSVを読み込んで表示する
確認方法用意したデータで期待する結果が出るか試す

数字や期限は、進捗を確かめるために使います。ただし、具体的な数字を書けば、そのまま達成可能になるわけではありません。使える時間や、前提となる知識も確認しましょう。

また、自分の行動と、他の人や環境に左右される結果を分けておくことも大切です。「応募資料を完成させること」と「採用されること」では、自分で調整できる範囲が異なります。

3.If-Thenで、始める場面と行動を結び付ける

目標を日常の行動につなげる方法の一つが、「もしこの場面になったら、この行動をする」と決めるIf-Thenプランニングです。研究では「実行意図」と呼ばれ、Gollwitzerらによって検討されてきました。

GollwitzerとSheeranの2006年のメタ分析では、実行意図を作ることが目標達成を促す結果が報告されています。ただし、すべての目標で達成率が一律に2倍・3倍になる、という意味ではありません。

計画では、自分が気付きやすい場面と、実行できる行動を組み合わせます。「時間があったら頑張る」より、「夕食後に食器を片付けたら、机で例題を一問解く」のように書いてみましょう。

取り組みたいことIf-Thenの例
読書夜、スマートフォンを充電場所に置いたら、本を2ページ読む
資格の勉強朝食後に机に座ったら、前日に間違えた問題を一問解く
開発土曜の作業時間になったら、前回の続きのファイルを開く
振り返り日曜に翌週の予定を確認したら、今週の記録を見直す

これらは実践例であり、最適な時間や分量を示すものではありません。決めた場面がほとんど訪れない場合や、その時間に実行できない場合は、条件を変えてください。

If-Thenを決めても、準備や努力が不要になるわけではありません。教材を用意する、作業時間を確保するなど、実行できる条件も整えましょう。

4.目標を見える場所に置き、次の作業まで示す

目標を思い出すために、手帳、カレンダー、付箋、アプリの通知などを使う方法があります。大切なのは、自分が確認する場面で見られ、その後の行動が分かることです。

例えば、机の付箋に「資格に合格する」とだけ書くのではなく、「今日は第2章の例題を一問解く」と書きます。大きな目標と、直近の作業を一緒に確認できるようにします。

道具使い方の例
手帳目標と今週取り組む作業を同じページに書く
カレンダー作業する時間と振り返る日を登録する
付箋次に着手する作業を一つ書く
アプリ実施した日と、次に行うことを残す

手書きとアプリのどちらかが、すべての人に優れているわけではありません。見返しやすさ、更新の手間、通知の必要性に合わせて選びましょう。

掲示物や通知を増やすこと自体を目標にせず、実際に確認して行動できたかを見ます。見なくなった付箋や無視する通知があれば、内容やタイミングを調整してください。

5.振り返りでは、記録から次の変更を決める

目標を思い出すことに加えて、どこまで進んだかを確認する機会を設けましょう。予定と実際の違いが分かれば、次の計画を調整できます。

Harkinらの2016年のメタ分析では、進捗の確認を促す介入について138件の研究を検討し、平均的に目標達成を促す効果が報告されました。進捗を記録することなどによって、効果の大きさに違いも見られました。

ただし、この結果から「週1回15分が全員に最適」「振り返れば100%達成できる」とは言えません。まずは週末など、予定を確認しやすい時間に短い振り返りを置いてみましょう。

確認する内容は、「できたこと」「止まった理由」「次に変えること」の三つから始められます。

今週の記録分かったこと来週の変更
3回の予定に対し、1回取り組んだ平日の夜は別の用事が重なった平日1回と休日1回に変更する
例題を解いたが途中で止まった前提となる用語が曖昧だった基礎の説明を確認してから再挑戦する
作業時間は取れた完成条件が曖昧で調整を続けていた今回作る機能と確認項目を決める

実施回数だけでなく、何ができるようになったかも確かめてください。記録を整えることに時間を使いすぎず、次の行動を決めるために必要な情報を残します。

6.予定が崩れたときの再開方法を用意する

予定どおりに進まない日があることも、計画に含めておきましょう。通常の分量に取り組めないときは、短い作業に変える、別の日へ移す、休んでから再開するなどの選択肢があります。

例えば、普段は20分勉強する場合でも、時間が限られる日は誤答を一問だけ確認する方法があります。ただし、少量の作業を続けるだけで、最終目標に必要な学習量を確保できるかは別に確認する必要があります。

「2日連続で休まない」のようなルールも、全員に必須ではありません。予定を逃した回数より、現在の状況と、次に取り組める日時を確認してください。

再開のきっかけとして、週や月の始まりを使う方法もあります。Daiらの2014年の研究では、こうした時間の区切りの後に、ジムの利用や目標に取り組む意思の表明などが増える傾向が報告されました。

ただし、区切りを作ることと、その後も長く続けて達成することは別です。次の月曜日を待つ必要はなく、今日できる作業があれば、そこから再開できます。

7.今の生活に合う目標管理シートを作る

目標を書き直す場合は、目的から次の作業までを一か所にまとめます。次の表を手帳やメモへ移し、自分の内容に置き換えて使ってください。

記入する項目書く内容
取り組む目的なぜ今、この目標に取り組むのか
目指す結果と期限いつまでに、何ができればよいか
今週の作業実行できる単位に分けた作業
始める条件もし何が起きたら、どこで何をするか
予定が崩れた場合分量を減らす、移す、休むなどの対応
確認する記録実施回数、成果物、解けた問題など
次の振り返りいつ記録を見て、計画を調整するか

目標が多い場合は、今週実際に取り組むものを絞ってみましょう。すべてを同時に進める必要はなく、保留する目標や、後で再検討する日を決めても構いません。

新年の目標を忘れていたとしても、今の状態から立て直せます。まず一つの目標を見返し、次に行う作業と取り組む場面を決めてみてください。その結果を記録し、生活に合う計画へ調整していきましょう。

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