昨日覚えた英単語が思い出せない。問題集を進めているうちに、前の単元の解き方を忘れてしまう。こうした経験があると、復習するタイミングを決めておきたいと感じるのではないでしょうか。

復習では、学び直す機会を設けることに加えて、その時点で何ができるかを確認することが大切です。この記事では、忘却曲線の読み方を整理し、学習内容や試験日、実際の正答状況に合わせた復習計画の立て方を紹介します。

目次

1.忘却曲線は「1日後に何%忘れるか」の予測表ではない

エビングハウスの忘却曲線は、時間の経過と記憶の関係を調べた研究として知られています。ただし、よく紹介される数値を、そのまま自分の勉強で忘れる割合に当てはめることはできません。

この研究で使われた重要な指標が「節約率」です。これは、一度学んだ内容を同じ基準まで覚え直すときに、最初の学習と比べて、どれだけ学習時間などを減らせたかを表します。思い出せた項目の割合とは異なります。

例えば、最初に覚えるまで10分かかり、後日、同じ基準まで覚え直すのに4分かかったとします。この架空の例では、6分短縮できたため、節約率は60%です。「内容の60%を正しく答えられた」という意味ではありません。

また、節約率の考え方から、「早く復習すれば必ず記憶が100%に戻る」と結論づけることもできません。自分が何を覚えているかは、実際に答えたり、問題を解いたりして確認しましょう。

2.分散学習では、復習の間隔も検討する

同じ内容の学習を、一度にまとめて行うのではなく、時間を空けて複数回に分ける方法を「分散学習」といいます。復習を予定に組み込む際には、この考え方が参考になります。

Cepedaらの研究では、事実に関する知識を学び、間隔を空けて復習した後、さらに時間を置いてテストを行いました。その結果、効果的な学習間隔は、復習から最終テストまでの期間によって変わりました。間隔を長くするほど、際限なく成績が上がったわけでもありません。

この結果からも、すべての勉強に共通する「最強の復習日程」を一つに決めるのは適切ではありません。明日の小テストに備える場合と、数か月後の試験に備える場合では、計画を分けて考える必要があります。

「翌日・1週間後・1か月後」という予定も、復習を忘れないための目安としては使えます。ただし、その日程を守るだけで定着が保証されるわけではなく、途中で答えられなければ、内容や間隔を見直してください。

3.復習日を決める前に、期限と確認内容を整理する

復習計画を立てるときは、まず「いつ使う知識なのか」と「何ができればよいのか」を決めます。試験日だけでなく、次の授業や演習で必要になる日も、予定を考える手掛かりになります。

例えば、英単語なら意味を答えられること、数学なら解き方を選んで計算できることなど、確認する内容を具体的にしましょう。教材を見直した日だけを記録しても、何ができるようになったかは分かりません。

計画前に確認すること具体例
知識を使う期限来週の小テスト、来月の定期試験
復習する範囲英単語20語、二次関数の基本問題
確認する方法意味を答える、解答を隠して解く
現在の状態自力で答えられる、ヒントが必要、未理解
確保できる時間平日の学習開始時、週末の演習時間

範囲が大きすぎると、どこを復習するべきか判断しにくくなります。「数学を復習する」より、「平方完成が必要な問題を解き直す」のように、実行できる単位まで絞ってみましょう。

4.最初の日程は仮に置き、結果を見て調整する

最初から自分に最適な間隔を知る必要はありません。まずは実行できる予定を置き、その都度、答えられた内容と答えられなかった内容を確認して調整します。

例えば、月曜日に学んだ内容を、火曜日・木曜日・日曜日に確認する予定を立ててみます。以下は運用を説明するための一例であり、この間隔が科学的に最適だという意味ではありません。

タイミングの例行うこと次の予定への反映
月曜日:初回学習説明を読み、例題に取り組む不明点と確認問題を残す
火曜日:最初の確認解答を見ずに答えてみる答えられない内容を学び直す
木曜日:再確認前回の誤答と重要事項を確認する難しい内容は早めに再確認する
日曜日:確認範囲を広げる他の単元と混ぜた問題にも取り組む翌週に残す課題を選ぶ

火曜日の時点で内容がほとんど分からなければ、木曜日までそのまま待つ必要はありません。まず教材に戻って理解を確かめ、取り組める問題から学び直してください。

一方、時間を空けても安定して答えられる内容は、次の確認までの間隔を広げる候補になります。すべてを同じ頻度で繰り返すのではなく、確認結果に応じて予定を分けてみましょう。

5.復習では「答える・照合する・修正する」を行う

復習するときは、最初から答えを読み直すだけでなく、覚えている内容を取り出す機会を作ります。教材を閉じて説明する、用語の意味を書く、解説を隠して問題を解く、といった方法があります。

RoedigerとKarpickeの文章学習の実験では、学習の5分後には再読した条件が有利でしたが、2日後や1週間後には、思い出すテストを行った条件の方が良い成績を示しました。直後の「分かった感じ」と、後日思い出せることは分けて考えましょう。

答えた後は、教材や解説と照合します。間違えた場合は、正解を写すだけでなく、用語の意味、問題の条件、計算手順など、どこに違いがあったかを確認してください。

学習内容復習で行うことの例
英単語意味を答え、例文の中でも意味を確認する
数学解答を隠して解き、使った条件や手順を説明する
歴史出来事の順序や関係を書き、教材と照合する
プログラミング処理結果を予想し、実行結果と比較する

思い出せないときに、長時間苦しむことを目標にする必要はありません。ヒントや解説を確認し、必要な部分を学び直したうえで、もう一度自分で答えてみましょう。

6.復習が増えすぎたら、優先順位を付ける

学習が進むほど、復習したい範囲は増えていきます。毎回すべてを同じ分量で確認しようとすると、新しい内容に取り組む時間を確保しにくくなります。

その場合は、試験や授業で必要になる時期、他の内容の前提になるか、直近で答えられたかを手掛かりに、優先順位を付けてください。特に、次の単元を理解するために必要な内容は、先に確認する候補になります。

復習用の記録も、細かく作り込む必要はありません。「教材・結果・次の行動」が分かれば、次回の勉強に使えます。次の表は、記入方法の例です。

復習する内容今回の結果次の行動
英単語1〜2016語正解、4語誤答4語を学び直し、次回も確認
二次関数の例題3方針は合っていたが計算ミス間違えた計算を確認して解き直す
条件分岐の問題ヒントを見て正解次回はヒントなしで取り組む

正解数は、そのとき出した問題への成績です。「20問中16問正解だから、その単元の理解度は80%」とまでは言えません。必要に応じて問題や条件を変え、対応できるかも確かめましょう。

7.予定を逃したときは、今の状態から組み直す

復習する予定の日を過ぎても、その時点から再開できます。予定どおりにできなかった回数を埋めることより、まず現在どこまで答えられるかを確認してください。

思い出せる内容は短く確認し、曖昧な内容は教材に戻って学び直します。その結果を基に、次の確認日を決めましょう。忘れていたとしても、最初からすべてを同じ時間でやり直す必要があるかは、実際に取り組んで判断できます。

また、試験が近づいたら、復習の予定だけでなく、まだ学んでいない範囲や演習時間も見直してください。復習を完璧に終えてから先に進もうとせず、残り時間と出題範囲に合わせて配分を考えます。

復習の日程は、学びを確かめる機会を作るためのものです。まず次に確認する日と問題を決め、実際の結果を見ながら、自分の学習に合う計画へ調整していきましょう。

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